Mike Cuozzo With Costa Burke Trio
· 公開済み ·2枚のリーダーアルバムしかない幻のテナー、マイク・コゾーのジュビリー盤です。
マイク・コゾーと言っても知らない方が多いと思います。幻の名盤ブームの頃もなかなか再発されなかったアンダーレイテッドなミュージシャンです。40年代はシェップ・フィールズのバンド、第2次世界大戦中はUSOに加わっていたそうで、50年代前半はジョー・マーサラやエリオット・ローレンス楽団で活躍しました。
彼はレスター・ヤングとスタン・ゲッツの影響を色濃く受けたスタイルです。コールマン・ホーキンス、ベン・ウェブスターの影響云々も言われていますが、僕はあまり感じません。ビブラートの少ない所謂白人系のサウンドです。しかしウエストコースターではありません。彼もレスター・ヤングからモダンへ移行したミュージシャンでしょう。クール時代のゲッツに影響を受けたと思われますが、サウンドは彼より太いです。そこのところでコールマン・ホーキンスやベン・ウェブスターの影響云々の話が出てきたかもしれません。
僕が彼の事を知ったのはエディ・コスタが参加していたからです。ジュビリーにエディ・コスタのリーダーアルバムがあり他のアルバムを探しているときに出会いました。と言うことでこのアルバムのもう一つの魅力はエディ・コスタの参加です。彼は1962年に32歳の誕生日の前に亡くなってしまいました。したがって参加しているアルバムも限られています。このアルバムでも貴重なソロが十分に聴けます。
このアルバムはマイク・コゾーの最後のリーダーアルバムです。テナーのワンホーンと言うのもよいですね。30歳で油ののりきった演奏です。確かにジャズのメジャーリーガーではありませんが、スムースでよく歌うソロはリラックスして聴くことができます。ジャズに寛ぎを求める方にオススメのアルバムです。
実はこのアルバム最初はそんなに期待しないで針を落としました。しかしエディ・コスタのイントロから続くマイク・コゾーのソロが出てきた途端ノックアウトです。とにかくテナーの音にやられました。優しく寛ぎに満ちてそれでいて太い音です。ソロ自体は手堅いものでそれほどの特徴のあるものではありません。しかし何回も言うようにメロディアスで寛ぎに満ちたものです。安心して聴くことが出来ます。
構成はスタンダード5曲とビニー・バークのオリジナル3曲です。8曲目はマイクに献げられたものです。僕は2と5を印象深く聴きました。特に5の I Cover THe Walterfrontの淡々としたソロが好きです。
そしてなんと言ってもエディ・コスタのピアノが聴くことができるのです。彼の有名なリーダーアルバム「The House Of Blue Lights」ほどではありませんが、彼のパーカッシブなピアノソロを堪能できます。またビニー・バークの堅実なベース、ニック・スタビュラスのドラムもこのアルバムを支えています。ニック・スタビュラスはフィル・ウッズとの共演でも有名ですね。
アンダーレイテッドなミュージシャン、マイク・コゾーのソロを堪能してください。なお機会がありましたら彼の初リーダーアルバム「Mighty Mike Cuozzo」もお聴きください。そこではエディ・コスタのバイブを聴くことができます。
Mike Cuozzo(ts) Eddie Costa(p) Vinnie Burke(b) Nick Stabulas(ds) recorded Sept.1956
- Fools Rush In
- Lover Man
- Ten A.M.
- That Old Feeling
- I Cover The Waterfront
- Easy To Love
- Blue Jeans
- Bounce For Mike
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