The Tommy Flanagan Trio
·ジャズ・ピアノのジェントルマン、トミー・フラナガン。気品あるプレイでファンの人気も高くまた名盤の影にトミフラありといわれるぐらい多くの名盤でサイドメンとして参加しています。
今回紹介するのはプレスティッジの傍系レーベル「MOODSVILLE」からリリースされたバラード集です。
「MOODSVILLE」はその名のとおりジャズメンを起用してムード・ミュージックをリリースしたレーベルで、全部で39枚あります。トミフラのほかにレッド・ガーランド、ケニー・バレル、コールマン・ホーキンス等のアルバムがあります。
演奏される曲目はすべてバラード。演奏自体もムード音楽的に甘い演奏となっています。はっきり言ってこのアルバム駄 盤の評価で、ジャズ雑誌でもいつも3星クラスです。
じゃあなんでレコメンドするのと言われそうですが、やっぱ聴いてもらうしかないけどこういった小品にトミー・フラナガンの味わいがあると僕は思います。カクテル・ピアノ的に弾いてもトミー・フラナガンのピアノは決して大甘なピアノにはなりません。一線を踏み越えていないのです。立派なジャズになっています。
特にこの時期のアメリカ録音それもトミー・フラナガンのピアノ・トリオはこのアルバムと「OVER SEAS」の2枚しかないから貴重な録音といえます。
僕自身もこのアルバムはそんなにしょっちゅう聴くアルバムではありません。でもなんかほっとしたいとき、なんか疲れたとき聴くとハート・ウォームな気分になれる癒し系のアルバムですね。
しかしジャズ喫茶でこのアルバムをリクエストするのはちょっと勇気がいるかもしれません。特に昼間なんかは絶対にさけましょう。夜、アルコールタイムならOKです。ただ硬派のジャズ喫茶にはこのアルバム多分ないだろうな。
曲目をみていると6以外は純然たるスタンダード。さすがのトミー・フラナガンも全編バラードはしんどかったのか6で唯一のオリジナル・ブルースをそれもミディアッム・バウンスで演奏しています。ただ彼の控え目な性格かエンディングの1曲前に入れています。
この曲を入れたことにより最後のエリントン・ナンバー「IN A SENTIMENTAL MOOD」がより光って聞こえます。僕的にはこの最後の曲がベスト・トラックだと思います。
大声で「最高だぜ」なんていうアルバムではなく小声で「ちょっといいのあるよ」って教えてあげたいアルバムです。
Tommy Flanagan(p) Tommy Potter(b) Roy Haynes(ds)
recorded 5/18/1960
- In The Blue Of Evening
- You Go To My Head
- Velvet Moon
- Come Sunday
- Born To Be Blue
- Jef’s Fine
- In A Sentimental Mood
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