Dizzy Gillespie / The Modern Jazz Sextet

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Dizzy Gillespie / The Modern Jazz SextetガレスピーVERVE時代の秀作です。

ガレスピーがVERVEに残した作品といえば、パーカーとのBird And Diz、スタン・ゲッツとのDiz And Getzなどが有名です。このアルバムはパーカーの死後の翌年に録音されています。MJQにちなんでModern Jazz Sextetと名付けられていますが、ガレスピーのパーカー追悼アルバムではないでしょうか。というのもスティットが全編でアルトを吹いているからです。しかもラストがパーカーに捧げるBlues For Birdです。なおMJQ自体がガレスピーのビッグバンドのリズムセクションから派生したのもこのアルバムタイルに関係があると思います。

ここではかつての仲間が集まって和気あいあいとしたセッションとなっています。ジョン・ルイス、パーシー・ヒースはかつてのガレスピー・ビッグ・バンドのリズムセクションでした。ソニー・スティットもビッグ・バンドのメンバーです。チャーリー・パーシップは録音当時のガレスピーバンドのメンバーです。

ガレスピーはハイノートを乱発することなく中音域主体のリラックスしたソロを展開してここぞと言うときにハイノートを使ってソロを盛り上げています。またスティットのアルトが素晴らしいです。パーカーが亡くなるまでアルトを止めてテナーに専念しています。パーカーそっくりと言われるのがいやだったようです。その彼のアルトの淀みないメロディックなソロが楽しめます。 Blues For Birdではガレスピーに変わり曲のトリをとっています。

ジョン・ルイスというピアニストの真価が発揮されたなんていうと大げさですが、このアルバムの魅力の一つに彼のソロがあります。間を活かして実にリラックスしたソロを展開していきます。特にMean To Meのソロは出色の出来ではないでしょうか。

最後にギターのスキーター・ベストですが、このアルバム以外の彼の演奏を残念ながら知りません。中間派のセッションに参加していたようです。ブルース系のギタリストといった趣です。Blues For Birdのソロなどブルージーで素晴らしいです。

ガレスピーのオリジナルで始まり、2曲目のアップテンポの曲で盛り上げ、次にバラードメドレーで各者の名人芸を披露、まるでノーマン・グランツのJATPコンサートそのままのスタイルです。買った当時高校生の僕はまんまとグランツの術中にはまってしまいました。

Dizzy Gillespie (tp) Sonny Stitt (as) Skeeter Best (g) John Lewis (p) Paecy Heath (b) Charlie Persip (ds) recorded 1956/1/12

  1. Tour De Force
  2. Dizzy Meets Sonny
  3. Ballad Medley
    Old Folks (Sonny Stitt)
    What’s New (John Lewis)
    How Deep Is The Ocean (Dizzy Gillespie)
  4. Mean To Me
  5. Blues For Bird


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