Coleman Hawkins / The High And Mighty Hawk
· 公開済み ·ジャズ・サックスの父、Coleman Hawkins後期の傑作です。イギリスの評論家スタンレー・ダンスがFelstedレーベルのためにプロデュースしました。
Coleman HawkinsのアルバムはBen Websterとの共演を先に聴いていました。そちらはVERVEでOscar Petersonがバックに付き合っています。ノーマン・グランツらしい組合せのアルバムでした。その時はBen Websterのプレイにより惹かれたのを覚えています。
このアルバムを買うきっかけは、ジャズ評論家の粟村政昭さんの著書「ジャズ・レコード・ブック」の中でホーキンス最後の傑作と評していたからです。それほどホーキンスを聴いているわけではありませんが、1曲目を聴いた途端引き込まれてしまいました。
軽快なリズムに乗って出てくるホーキンスのソロと続くメンバーのソロは、スイングとかモダンとか関係無しに体をスイングさせてくれました。とかくジャンル分けしたがりますが、ミュージシャンはあまりそんなことにこだわっていないのでしょう。とにかくスイングの大物2人をHank JonesとRay Brownの2人が絶妙のバッキングでサポートしています。Coleman Hawkinsはもちろんですが、Buck Claytonが絶好調でこのアルバムを盛り上げています。
ここで面白いのはHawkinsのフレーズがちょっとだけモダンになっているところです。このちょっとだけがミソで、無理してモダンにならずに自然なモダンというようなスムースなソロがHank JonesやRay Brownのモダン畑の連中とマッチして嬉しくなってしまいました。
実はColeman Hawkinsのソロはスイング時代とはかなり違っています。Hawkinsは史上初のバップ・コンボによるレコーディングしているほど新しいジャズに真剣に取り組みました。残念ながらその取り組みは失敗に終わりますが。それでも40年代から50年代にかけて彼なりに新しいジャズと向き合ってきました。Thelonious MonkやJohn Coltraneとのリバーサイド盤のソロなどは今聴いても素晴らしいと思います。そういったHawkinsの取り組みがこのアルバムで実を結んだと思います。
Hawkinsとしては珍しくミディアムのブルースで始まります。リズムへの対応も良くスインギーなソロはとても魅力的です。つづくBuck Clayton、Hank Jones、Ray Brownのソロも好調です。
バラードのMy One And Only Loveはさすがです。Hawkinsの面目躍如といったプレイです。
各自のオリジナルも縦に横にスイングしています。とにかく全員が愉しんでプレイしている様子が目に浮かびます。
Coleman Hawkinsの最高傑作とでも呼びたいアルバムを是非聴いてください。
Coleman Hawkins (ts) Buck Clayton (tp) Hank Jones (p) Ray Brown (b) Micky Sheen (ds)
recorded Feb18&19.1958
- Bird Of Prey Blues
- My One And Only Love
- Vignette
- Ooh-Wee,Miss G.P.
- You’ve Changed
- Get Set
オリジナル盤のジャケットです
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