Wes Montgomery / Road Song

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Wes Montgomery / Road Songウエス・モンゴメリーCTI時代のヒット作で、この吹き込みのすぐ後に心臓発作で亡くなってしまいます。ということで彼の遺作でもあります。43才の絶頂期に亡くなり本当に残念でした。今となってはジャケットのデザインが遠くへ行ってしまうウエス・モンゴメリーを表しているように感じました。

CTI時代のアルバムはイージーリスニング・ジャズとかコーマシャルだとかで硬派のジャズ・ファンにはとかく評判が悪いです。しかし彼の演奏自体は全くジャズそのものです。短いソロの中にジャズのエッセンスがちりばめられています。またドン・セベスキーのアレンジが素晴らしいです。たしかにストリングスを混ぜ、取り扱う曲もポップチューン、イージーリスニングです。でも気軽に聴けるジャズがあっても良いのではないでしょうか。僕はリーバサイド時代のウエスも好きですが、それに負けず劣らずCTI時代のウエスも頻繁にターンテーブルにのります。

リバーサイド時代とは違ったウエスの魅力を引き出したプロデューサーのクリード・テイラーの手腕も見事です。ヴァーブ時代に出会い「夢のカリフォルニア」でウエスを一躍スターダムに導きました。ウエスのオクターブ奏法を巧みにイージーリスニング・サウンドに仕立て上げました。それを可能にするためにドン・セベスキーを持ってきたのもすごいと思います。70年代フュージョンの時代のCTIの活躍は目を見張るものがあります。ただ一部のジャズファンからはジャズの魂を売ったとか、ジャズの商売人という批判もありました。確かにその一面はありましたが、ジャズを一部のマニアのものから大衆にも楽しめるものとして提供したという功績は大事だと思います。

さてこのアルバムもアレンジは才人ドン・セベスキーです。前作までにはなかったバロック風のイントロを使うなど手の込んだ編曲をしています。ソロの合間にもクラシック調のストリングスやホーンが顔を出します。それがウエスのギターサウンドをベストマッチです。またバックのミュージシャンがチョー一流なのもクリード・テイラーの得意とするところです。ですのでサウンドがゴージャスです。

休日の午後の昼下がりに冷たい白ワインでも飲みながら、ウエス・モンゴメリーとドン・セベスキーのコラボレーションを十二分に楽しんでください。

Wes Montgomery (g) Herbie Hancock (p) Hank Jones (p) Richard Davis (b) Grady Tate(ds) Don Sebesky (arr) and Others
recorded May 7-9,1968

  1. Road Song
  2. Greensleeves
  3. Fly Me To The Moon
  4. Yesterdays
  5. I’ll Be Back
  6. Scarborough Fair
  7. Green leaves Of Summer
  8. Serene
  9. Where Have All The Flowers Gone?


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