Blue Mitchell / Blue’s Moods
·ブルー・ミッチェルの代表作、というか彼のリーダーアルバムで1枚を選ぶとしたらこれっきゃ無いという人も少なく無いほどの人気盤です。
ハードバップ期、トランペットによるワンホーン・アルバムってそんなにありません。その中で代表的な作品を挙げるとすれば、「LEE MORGAN/CANDY」「KENNY DORHAM/QUIET KENNY」「BOOKER LITTLE」それとブルー・ミッチェルのこのアルバムでしょうか。いずれもジャズ喫茶の人気盤です。
ブルー・ミッチェルの魅力はその唄うがごときフレージングですが、このアルバムではその魅力が十二分に味わえます。特に1は名演として有名です。彼はナヴァロ-ブラウン系 のトランペッターで、彼らほどブリリアントなソロではないがその趣味の良いソロで多くのファンをつかんでいます。特にリバーサイドの諸作はハードバップの魅力を備えた作品として今でも良く聴かれています。
ホレス・シルバー・クインテットでのファンキーなソロも良かったですが、このアルバムではワンホーンということもあり彼自身がやりたいように自由にやっているうれしさ、そしてくつろぎに充ちたプレイが印象的です。
1「I’ll Close My Eyes」ウイントン・ケリー独特の節回しによるイントロにのってでてくるブルー・ミッチェルのテーマが素敵です。あっさりとテーマを吹いてソロに入っていきますが、最初の一音で引き込まれてしまいます。こんな曲を1曲目に持ってきた選曲がにくい。この曲のベスト・プレイのひとつでしょう。
2「Avaras」はテナー奏者ロッキー・ボイドのオリジナル。ハードバピッシュな曲調にミッチェルのペットが良く合います。
3はパーカーの有名なオリジナル。ドラムのロイ・ブルックスとのフォーバース・チェンジも快調です。
4・5はミッチェルのオリジナル。4のレイジーな雰囲気、5のファンキーな曲調にミッチェルのペットが冴えます。僕は4の映画のワンシーンを見ているようなプレイが好きです。ケリーのベースに絡むようなソロがまたイカしてます。
6「When I Fall In Love」はブルー・ミッチェルのバラードプレイ。オープンであまりビブラートをかけずストレートに吹いていきます。すがすがしいプレイです。ケリーのピアノがロマンティック。
7は僕の大好きなピアニスト、ロンネル・ブライトのオリジナル。ブルー・ミッチェルの楽しそうな笑顔が浮かぶようなプレイです。
8はまたまたスタンダード。サム・ジョーンズのベースにのってミッチェルが気持ちよさそうに吹いていきます。
このアルバムのもう一つの魅力は絶頂期にあったウイントン・ケリーのピアノとサム・ジョーンズの生きのいいベースです。
ジミー・ヒースのこの言葉こそこのアルバムの魅力そのものです。
「I think Blue Mitchell was one of the most melodic players of his generation” –Jimmy Heath 」
Blue Mitchell(tp) Wynton Kelly(p) Sam Jones(b) Roy Brooks(ds)
recorded 8/24,25/1960
- I’ll CloseMy Eyes
- Avars
- Scraoole From The Apple
- Kinda Vague
- Sir John
- When I Fall In Love
- Sweet Pumpkin
- I Wish I New
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