Benny Golson / Groovin’ With Golson
·ベニー・ゴルソン=カーティス・フラーのコンビによるハードバップのお手本アルバム。
ハード・バップの人気テナー奏者のベニー・ゴルソンはある意味ハード・バップの定型を作ったミュージシャンといっても差し支えないでしょう。サヴォイの「ブルース・エット」はもちろん、ジャズメッセンジャーズの音楽監督として彼が作編曲したものはハード・バップの古典として今も多くのファンを魅了しています。
彼の最盛期は60年ごろまでだと思います。ジャズテット晩年のアルバムはそれほど重要ではないと言うと言いすぎかな。とくにリー・モーガン、ボビー・ティモンズを擁したジャズメセンジャーズでの「ウイスパー・ノット」「ブルース・マーチ」「I REMEMBER CLIFFORD」などの諸作は今でも忘れられません。
彼の特徴は柔らかいトーンを基調としたアレンジにある。特にカーティス・フラーのトロンボーンの温かいサウンドを利用したアンサンブルはジャズの最良のコンビのひとつです。
僕の自身はベニー・ゴルソンのテナーはあまり好きではありません、すみません。どちらかというとちょっと下品な音に聞こえます。アップテンポの曲での暴れぶりはちょっと首を傾げたくなるときがあります。だからスローからミディアムのナンバーが良いのでは。とくに3管や2管のアンサンブルで彼が絡むと独特の効果 を生み、ハード・バップのかっこよさを感じます。
さてこのアルバムだがプレスティッジでの2作目。丁度ブルース・エットの後に吹き込まれたものです。ドラムにアート・ブレイキーが参加しているところからメッセンジャーズを退団する頃の吹き込みでしょう。
1曲目からベニー・ゴルソンのアレンジによるアンサンブルがもうハード・バップ色ぷんぷんです。テンポも丁度良く、ベニー・ゴルソンのソロも好ましいです。テーマのあとのカーティス・フラーは当時の彼の好調さを物語るように素晴らしい。ブルースにおけるレイ・ブライアントはさすがなソロです。アート・ブレイキーの必殺技ナイアガラ・ロールも炸裂してます。
4のオリジナルも同一線上の曲。とにかくテーマからアンサンブルがカッコいい。
2「DRUM BOOGIE」はジーン・クルーパ楽団でヒットした曲だがここに聴くかぎり第2のブルース・マーチみたいです。
最大の聞き物は3・5のスタンダード。フラーの温かみのあるサウンド、哀愁のあるソロ、またベニー・ゴルソンが流れるようなソロ、そしてレイ・ブライアントのシングル・トーンのソロと素晴らしいです。ベニー・ゴルソンのリーダーアルバムの中でも最高の部類のソロではないでしょうか。特に「YESTERDAYS」はほんといいです。
ハード・バップを彩 ったベニー・ゴルソンの傑作として推薦します。
Benny Golson(ts) Curtis Fuller(tb) Ray Bryant(p) Paul Chambers(b) Art Blakey(ds)
recorded 8/28/1959
- My Blues House
- Drum Boogie
- I Didn’t Know What Love Is
- The Stroller
- Yesterdays
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