KOBAのジャズ青春記 第4回

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高校時代のレコード話

高校生活がスタートした。

ステレオが揃ったおかげで、以前にもましてジャズを聴くようになった。小遣いが限られているので、毎月一枚レコードを買うのがやっとだった。

それだけに失敗は許されない。スイング・ジャーナルのレコード評を端から端まで、なめるように読んだ。基準としては四つ星以上、名盤であること、フリーではないである。

毎月25日に小遣いを貰うとレコード屋に一直線。目当てのレコードを探す。ところがレコード棚の前にたつと、決めておいたはずなのに迷うのである。ジャケットを見てしまうと気持ちがぐらつく。あれこれとレコード棚の前を行ったり来たり、2時間ほどしてやっと一枚のレコードを買って帰る。ダッシュで帰る。家に着くや部屋に直行。ステレオのスイッチを入れ、ライナーを出しレコードをかける。

期待通 りなら喜びもひとしおだが、はずれだと落胆も大きい。後悔でしばらくは立ち直れないのである。そんなこんなで一枚一枚と少しずつだがレコードが増えていった。

初めて買ったヴォーカルは「Anita O’Day / Anita Sings The Most」Tederlyの音を伸ばすところがイカしていた。スキャットのかっこよさ、粋な節回しとハスキーヴォイスにたちまちアニタの虜に。

Anita O'Day / Anita Sings The Most

後年見た「真夏の夜のジャズ」でもアニタは光っていた。

僕をジャズヴォーカルに導いてくれたこのレコードを今でも時々取り出して聴いています。


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